忍者ブログ

生命の音楽室付属倉庫

「生命の音楽室」 http://musicroomoflife.okoshi-yasu.com/ の広報担当、音原低二のブログです。 たまりにたまった余分知識の掃き捨て場として、「倉庫」とさせていただきました。

曲のカットについて

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

曲のカットについて

音原です。お久しぶりです。
某団体の選曲会議に出席しました。自分の曲を出し、推してきました。落ちました。

某団体の選曲で「カットすべきか?」ということを議論しています。Twitter上でも吹奏楽作曲家の皆さんの間で話題になっていますので、私も述べさせていただくことに致します。
以降はすべて吹奏楽で演奏する上でのカットについて述べます。


・カットは基本的に許容しません。
理由ですが、曲のストーリーが壊れるからです。
カットする理由としては「制限時間」と「難易度」によるものが多いと思います。
しかし、制限時間があるからといって、曲のストーリーを壊していいものなのでしょうか。
よくあるのは「一回しか繰り返さない」ということでしょう。繰り返すことに意味を置いていることが伝わっていないのでしょうか。
難易度でカットするのは、そもそもこの曲を取り上げること自体が間違っていると思います。

・ストーリーを壊さないカットは乗り気にはなれないがまだ許容できる
具体的には、「指輪物語」(Composed by Johan de Meij)の1楽章だけ抜き出す、などでしょうか。この曲の1楽章はガンダルフという魔術師の人物に重きを置いたポートレートのような楽章なので、やるからには全曲やりたいところではありますが、まだマシではないでしょうか。

ただ、「歌劇」や「オペラ」などから抜粋編曲されたものについては、少し事情が異なります。
「火の鳥」や「シバの女王ベルキス」のような作曲者自身が演奏会用に編曲したものについてです。
こちらの作品は、作者自身がカットや編曲している、いわば「公式カット」です。これは作者の見解ということで、私としても許容(どころかむしろ演奏できるようにしていただけてうれしい)です。ただし、ここからさらにカットする場合は、原作のストーリーまで考えてカットすべきではないかと思います。よくベルキスの2楽章と3楽章が入れ替わっていることがありますが、私は作者の通り、1ソロモン、2夜明けのベルキス、3戦い、4饗宴が演奏効果からもよいと思います。ストーリーを考えるのと、3を4の前座のような扱いととらえればこちらの方がいいと思います。吹奏楽でやるとなると響きが単調で飽きやすいというのが難点ですね…(こういったものは吹奏楽でやらない方がいいと私なら言います)
もう一パターン例がありますね。
先日曲名だけ出した「喜歌劇『メリーウィドウ』セレクション」(鈴木英史編)のような、「歌劇などから直接吹奏楽組曲に編曲」というものです。こちらも編曲するならストーリーを壊さないように編曲すべきですね(実際に原作を見たことはないので、ちゃんと編曲されていると信じています)。

さて、カットせざるを得ない場合はどうしましょうか。
「別の曲をやろう」これしかないと思います。
カットするくらいなら別のノーカットでできる機会を作ってやりましょう。
私が吹奏楽コンクールに出ない理由のひとつがこれだったりします(前回参照)。

というわけで、私の曲(2017年8月現在)のカットについて一応書いておきます。
・マーチ「春の港で」
・マーチ「新たな年を迎えて」
・Celebration Overture for Band
・吹奏楽のための組曲「明日を夢見て」
どこをカットすればよいでしょうか。というわけでカットの必要はありません。カットしないでください。

・吹奏楽のための組曲「地球」
6単独以外ならどれでも良いです。6をやるなら124もやってください。
どうしてもという場合は1246で、146をそれぞれカットしてください(このカット版の楽譜も作らなきゃ)。

・終わりの太陽
カットしないでください。ストーリーが壊れます。
というよりは、この曲は演奏する人員的に困難なので演奏できないでしょう。

以上です。楽曲は「芸術作品」ということをお忘れなく。

P.S.なんだかんだ、私はカットつき演奏を何度もやっています。「自分ではどうしようもないとはいえこのカットはないわ」というのも結構経験があります(一番ひどかったのはピアノ必須曲でピアノ奏者が見つからず、該当箇所全カット)。どうにもならないとはいえ、気乗りはしませんでしたね…
PR

コメント

プロフィール

HN:
音原低二
性別:
非公開

P R